「ゲーム世界と現実を行き来して、女の子と絆を深めていくような綺麗な話は無い」
これは異世界転生? ──いや、彼は死んでいない。
ゲーム世界に一人取り残された? ──いや、彼は毎日、現実に帰っている。
それでは、彼が体験している事象をなんと呼べばいいのか。
『俺だけ生身でネトゲの世界に落ちてさ、死んだら現実に戻るってのを毎日繰り返してるんだよ。
あと、ステータスとかも見れないし、ていうか転んだだけで死ぬくらい貧弱なんだけど、なにこれ?』
そう、なにこれなのだ!
そんな境遇に立たされた<識木悠理>は現実の舞台、二条クレイン学園の臨時教員である。
初めて学園に足を踏み入れたその日に、学園が運営するネットワークゲーム「エクスアール」の世界へと旅立ち……
そして、数時間後には無事死んで帰ってきた男だ。